あなたは「友達から簡単に儲かる話を持ちかけられた」と悩んだことはありませんか?
結論、それはネズミ講という違法なビジネスかもしれません。
この記事を読むことでネズミ講の仕組みや有名事件、マルチ商法との違い、被害に遭わないための対策がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1.ネズミ講とは何か?基本的な仕組みを理解しよう

ネズミ講の定義と無限連鎖講の意味
ネズミ講は法律上「無限連鎖講」と呼ばれる違法なビジネスモデルです。
金品を出す加入者が無限に増加することを前提として、先に加入した者が後から加入した者が支払う金品から利益を受け取る仕組みになっています。
会員を増やすことで金銭の配当を得ることが唯一の目的であり、実際の商品やサービスの提供は伴いません。
この名称は、ネズミが多産でどんどん増えていくことから「ねずみ算」にちなんで名付けられました。
ピラミッド型の組織構造と会員の増加方式
ネズミ講の組織構造は典型的なピラミッド型です。
1人の親会員が2人以上の子会員を勧誘し、その子会員がさらに2人以上を勧誘するという連鎖によって会員数が指数関数的に増加していきます。
例えば、1人が毎月2人ずつ勧誘した場合、1代目は1人、2代目は2人、3代目は4人、4代目は8人と増えていきます。
27代目には日本の総人口を超えてしまう計算になり、システムの破綻が数学的に証明されています。
金銭配当の流れと破綻する仕組み
ネズミ講における金銭の流れは極めてシンプルです。
新規会員が入会金や会費を支払うと、その一部が上位会員に配当として分配されます。
天下一家の会を例にすると、会員は5代上位の会員に1,000円を送金し、本部に入会金1,028円を送金する仕組みでした。
しかし人口には限りがあるため、必ずどこかの段階で新規会員を獲得できなくなります。
結果として、大半の会員は支払った金額を回収できずに損失を被ることになるのです。
なぜネズミ講は違法なのか
ネズミ講が違法とされる理由は明確です。
終局的には破綻する性質のものであるにもかかわらず、関係者の射幸心をあおって加入者の相当部分に経済的な損失を与えるためです。
日本では1978年に「無限連鎖講の防止に関する法律」が制定され、ネズミ講の開設・運営・加入・勧誘のすべてが禁止されました。
違反した場合、開設・運営者は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、勧誘者は20万円以下の罰金に処せられます。
2.日本で起きた有名なネズミ講事件

天下一家の会事件|日本最大規模のネズミ講
天下一家の会事件は日本最大規模のネズミ講事件として知られています。
1967年に内村健一が熊本県で「第一相互経済研究所」を創設し、「親しき友の会」などの名称でネズミ講を展開しました。
延べ約120万人から約1,896億円を集めたとされ、当時は毎日1億円が本部に入ったと言われています。
「心と和の助け合い精神」という謳い文句で勧誘を行い、地縁血縁関係を利用した勧誘が特徴でした。
1970年代に配当を得られない人やトラブルが表面化し、1971年に熊本国税局が所得税法違反の容疑で強制調査を実施しました。
内村健一は脱税容疑で逮捕され、1978年に懲役3年執行猶予3年、罰金7億円の判決を受けました。
この事件をきっかけに1978年に「無限連鎖講の防止に関する法律」が制定されることになったのです。
国利民福の会などその他の大規模事件
天下一家の会以外にも多数のネズミ講事件が発生しています。
国利民福の会も昭和40年代に大規模な被害を出したネズミ講として知られています。
これらの事件に共通するのは、「必ず儲かる」という甘い言葉で多くの人々を勧誘し、最終的には破綻して多数の被害者を生み出したことです。
被害者の中には、家計の破綻や自殺、人間関係の破壊といった深刻な問題に直面した人も少なくありませんでした。
IT化したネズミ講とLivelyなど近年の事例
インターネットの普及に伴い、ネズミ講もIT化の波に乗って進化しました。
2000年代には「Lively」というIT系商材を扱ったネズミ講が若者を中心に大流行しました。
インターネット掲示板で情報交換が活発に行われ、2005年から2006年にかけて多くの被害者を生み出しました。
有名企業との提携や芸能人の参加を謳った虚偽の勧誘が行われるなど、手口は巧妙化しています。
海外発のネズミ講も容易に日本に上陸するようになり、被害は現在も後を絶ちません。
海外の有名事件|マドフ事件など
海外では史上最大規模のネズミ講詐欺として「マドフ事件」が知られています。
元ナスダック会長のバーナード・マドフが主導したこの事件では、被害総額が含み損ベースで650億ドル(約7兆円)に上りました。
日本の金融機関も含む米国内外の著名投資家を巻き込み、2008年に発覚しました。
マドフ受刑者は禁錮150年の判決を受け、服役中の2021年に82歳で死去しています。
イタリアでは「ペンタゴノ・システム」が文化遺産の保護を名目にインターネットで勧誘を行うなど、世界各地でネズミ講事件が発生しています。
3.ネズミ講とマルチ商法の違いを徹底比較

商品の有無が決定的な違い
ネズミ講とマルチ商法の最も大きな違いは、実際の商品やサービスが存在するかどうかです。
ネズミ講は商品を介さず、専ら金銭のやり取りのみで成り立っています。
一方、マルチ商法は健康食品や日用品などの実際の商品を販売することを目的としています。
販売組織に加入した会員が商品を買い取り、他の人に販売したり、新たな会員を勧誘して中間利益を得る仕組みです。
法律上の位置づけ|違法と合法の境界線
法律上の位置づけにも明確な違いがあります。
ネズミ講は「無限連鎖講の防止に関する法律」により完全に違法とされており、開設・運営・加入・勧誘のすべてが禁止されています。
一方、マルチ商法は「連鎖販売取引」として法律で認められており、合法です。
ただし、マルチ商法も「特定商取引法」による厳格な規制を受けています。
勧誘の際には目的を明示する義務があり、虚偽の説明や強引な勧誘は禁止されています。
無限連鎖講防止法と特定商取引法による規制
ネズミ講を規制する「無限連鎖講の防止に関する法律」は1978年に制定されました。
この法律では、無限連鎖講の開設・運営者には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科されます。
1回でも勧誘すれば違反が成立するため、知らずに勧誘してしまった場合でも処罰の対象となります。
マルチ商法を規制する「特定商取引法」では、氏名や勧誘目的の明示、虚偽の説明の禁止、クーリング・オフ制度などが定められています。
これらの規制に違反した場合、業務停止命令や罰則の対象となります。
マルチまがい商法の実態と見分け方
マルチまがい商法とは、実態はマルチ商法であるにもかかわらず、法律の規制を逃れようとする商法です。
特定商取引法の定義に該当しないように装うことで、規制を回避しようとします。
近年では、ファンド型投資商品や副業を取り扱う「モノなしマルチ商法」も増えています。
見分け方のポイントとしては、実際の商品価値に対して著しく価格が高い場合や、会員を増やすことに重点が置かれている場合は要注意です。
商品の実態がない、または商品があっても実質的に金銭配当が目的となっている場合は、ネズミ講として刑事処罰の対象となる可能性があります。
4.ネズミ講の被害に遭わないための対策

ネズミ講の典型的な勧誘パターンと手口
ネズミ講の勧誘には典型的なパターンがあります。
「1カ月に2人、入会させるだけでいい。確実に儲かる」という甘い誘い文句が特徴です。
友人や知人からの紹介という形をとるため、信頼関係を利用して断りにくい状況を作り出します。
「いいバイトがある」と誘われて説明会に連れて行かれ、集団催眠状態にして勧誘するケースもあります。
SNSを通じた勧誘も増えており、見ず知らずの人物から投資話や副業の勧誘を受けるパターンが目立ちます。
少額の元手で大金が手に入る、有名企業と提携している、芸能人もやっているなどの虚偽の内容で勧誘されることもあります。
怪しいビジネスを見抜くチェックポイント
怪しいビジネスを見抜くためのチェックポイントがあります。
まず、実際の商品やサービスが存在するかを確認しましょう。
商品があっても、その価値に対して価格が著しく高い場合は要注意です。
会員を増やすことで報酬が得られる仕組みになっている場合、その報酬体系が現実的かどうかを冷静に判断してください。
「必ず儲かる」「簡単に稼げる」という言葉を使う勧誘は疑うべきです。
ビジネスモデルとして成り立たない、無限に会員が増えることを前提としている場合は、ネズミ講の可能性が高いと言えます。
勧誘されたときの断り方と対処法
勧誘されたときの対処法を知っておくことが重要です。
まず、その場で即決せず、時間をもらって冷静に判断することが大切です。
「家族に相談してから決める」と伝えて、一度持ち帰りましょう。
消費生活センターや国民生活センターに問い合わせて、その業者や商法について情報を確認することもできます。
断る際は、はっきりと「興味がない」「参加しない」と意思表示することが重要です。
曖昧な返事をすると、しつこく勧誘され続ける可能性があります。
被害に遭ってしまった場合の相談先
万が一ネズミ講の被害に遭ってしまった場合、すぐに相談することが重要です。
消費生活センター(電話:188)では、消費者トラブルに関する相談を受け付けています。
警察の生活安全課や悪質商法110番でも相談できます。
弁護士に相談することで、返金交渉を代理で行ってもらうことができます。
被害者の代理人として勧誘者やネズミ講開設者に対して交渉するため、自身の負担を大幅に軽減できます。
多数の被害者がいるネズミ講では、返金してもらうには早期に対応することが重要です。
時間が経つと主催者が破産したり、資産を隠したりする可能性があるため、被害に気づいたらすぐに行動しましょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- ネズミ講は「無限連鎖講」と呼ばれる違法なビジネスで、商品の提供なく金銭配当のみを目的としている
- 会員がねずみ算式に増加するピラミッド型の組織構造で、必ず破綻するシステムである
- 天下一家の会事件は日本最大規模のネズミ講事件で、約120万人から1,896億円を集めた
- この事件をきっかけに1978年に無限連鎖講防止法が制定された
- ネズミ講は完全に違法だが、マルチ商法は実際の商品販売を伴うため合法である
- ネズミ講の勧誘は友人や知人を介して行われることが多く、信頼関係を利用される
- 「必ず儲かる」「簡単に稼げる」という甘い言葉には要注意
- 被害に遭った場合は消費生活センター、警察、弁護士にすぐに相談すべき
- 1回でも勧誘すれば処罰の対象となるため、知らずに加担しないよう注意が必要
- IT化により海外発のネズミ講も増加しており、SNSを通じた勧誘にも警戒が必要
ネズミ講は違法であり、誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があります。
甘い儲け話には安易に乗らず、冷静に判断することが大切です。
もし疑わしいビジネスの勧誘を受けたら、この記事の内容を思い出して、慎重に対応してください。
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