あなたは「QPS研究所の将来性について知りたい」と思ったことはありませんか?結論、QPS研究所は小型SAR衛星事業で高い成長性を持つ宇宙ベンチャー企業です。この記事を読むことで、QPS研究所の事業内容、成長戦略、株価動向、投資リスクまで総合的に理解できるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。

1. QPS研究所とは?小型SAR衛星で注目される宇宙ベンチャー企業

1. QPS研究所とは?小型SAR衛星で注目される宇宙ベンチャー企業

QPS研究所の会社概要と設立の背景

QPS研究所は2005年に福岡県で設立された九州大学発の宇宙ベンチャー企業です。

九州大学の八坂哲雄名誉教授や桜井晃氏、三菱重工のロケット開発者である舩越国弘氏の3名によって創業されました。

創業の目的は「九州に宇宙産業を根付かせること」であり、九州大学の小型衛星研究・開発をベースに、北部九州を中心とした全国25社以上のパートナー企業と共に事業を展開しています。

2023年12月には東京証券取引所グロース市場に上場を果たし、宇宙関連企業としては同年4月のispaceに次ぐ2社目の上場となりました。

小型SAR衛星とは?従来の衛星との違いと革新性

SAR衛星とは合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar)を搭載した人工衛星のことで、従来の光学衛星とは大きく異なる特徴を持っています。

光学衛星は太陽光の反射を利用して地表を撮影するため、夜間や悪天候時には観測ができないという課題がありました。

一方、SAR衛星はマイクロ波を発射し、その反射波を捉えることで地表を観測するため、24時間365日、天候に左右されずに撮影が可能です。

しかし、従来のSAR衛星は大量の電力を消費するため大型化し、打ち上げコストが非常に高いという問題がありました。

QPS研究所はこの課題を解決するために、収納性が高く軽量でありながら大型の展開式パラボラアンテナ(特許取得)を開発しました。

九州大学発ベンチャーとしての技術的優位性

QPS研究所の最大の強みは、直径3.6メートルのパラボラアンテナを直径80センチ、高さ15センチにまで小さく折りたためる独自技術にあります。

このアンテナは九州の地元企業の高い技術力によって開発されており、糸島市のバネメーカー「峰勝鋼機」がリブを、筑後地域の「円陣スペースエンジニアリングチーム」が構造部品の製作と組み立てを、大川市の「カネクラ加工」が金属メッシュの縫製を担当しています。

100以上の試作品を作り、何百回もの試験を経て完成したこのアンテナにより、従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストで運用が可能になりました。

衛星1機あたりの開発費は約5億円程度に抑えられており、これは世界トップレベルの低コスト化です。

2023年12月の東証グロース市場上場とその意義

QPS研究所は2023年12月6日に公開価格390円で新規株式公開(IPO)を実施しました。

宇宙関連銘柄として投資家の期待も高く、初値は860円と公開価格の2.2倍となる良好なスタートを切っています。

上場による調達資金は約32億円で、その資金は小型SAR衛星の製造費用に充当される予定です。

上場によって資金調達力が向上し、衛星コンステレーション構築のスピードを加速できる体制が整いました。

2. QPS研究所の将来性を支える成長戦略

2. QPS研究所の将来性を支える成長戦略

36機体制による準リアルタイム観測システムの構築計画

QPS研究所が目指す最終目標は、36機の小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイム観測システムの構築です。

36機体制が完成すれば、地球上のほぼどこでも任意の場所を平均10分間隔で観測できるようになります。

これは「10分毎に更新される準リアルタイムのGoogleマップ」という革新的なコンセプトを実現するものです。

現在は商用機が数機運用されている段階ですが、2025年には複数機の打ち上げを予定しており、着実にコンステレーション構築を進めています。

2028年までに24機運用を目指す衛星打ち上げスケジュール

QPS研究所は2028年5月末までに24機の衛星運用体制を構築することを目標に掲げています。

2025年前半だけでも9号機から12号機まで4機を打ち上げる契約を既に締結済みです。

衛星の製造・打ち上げを急速に進めるため、2025年5月期内に新施設の稼働を開始し、年間最大10機の衛星を製造できる体制を整える計画です。

福岡県早良区百道浜地区の旧産学官連携施設に新たな研究開発拠点を設置し、量産体制の確立を目指しています。

安全保障・防災・インフラ管理への展開と市場拡大

QPS研究所が提供するSAR画像データは、安全保障、防災・減災、インフラ管理など幅広い分野での活用が期待されています。

2023年度における官公庁のSAR衛星関連事業では、QPS研究所が55.4%のシェアを占めており、国内市場でトップの地位を確立しています。

内閣府のスターダストプログラムでは、幅広い省庁に画像データを提供しており、国土交通省、海上保安庁、防災科学技術研究所などとの協業を進めています。

また、令和7年度防衛予算では、SAR衛星を中心とした衛星コンステレーション構築に2,832億円が計上されており、国家レベルでの需要が拡大しています。

海外市場への進出と代理店ネットワークの強化

QPS研究所は国内市場だけでなく、海外市場への展開も積極的に進めています。

2023年9月末時点で、米国6社、欧州3社の代理店候補ならびにパートナー候補と協議中であり、特に海外政府機関系と強いコネクションを持つ販売代理店との連携を強化しています。

株主であるスカパーJSATの海外支社・子会社を通じた海外代理店の開拓も検討されており、グローバル展開のための基盤作りが進んでいます。

国内外の展示会へも活発に出展し、認知度向上と顧客開拓に注力しています。

衛星本体の受託開発・直接販売事業への展開

QPS研究所は現在、画像データ販売を主力事業としていますが、将来的には小型SAR衛星本体の受託開発・直接販売事業の展開も検討しています。

世界で5社しか商用化できていない小型SAR衛星を手がけるプレイヤーとして、高い技術力を活かした事業の多角化を目指しています。

JAXAとの共同研究契約も締結されており、宇宙戦略基金から「商業衛星コンステレーション構築加速化」のテーマで採択されるなど、技術開発面での支援体制も整っています。

3. QPS研究所の株価動向と業績分析

3. QPS研究所の株価動向と業績分析

上場後の株価推移とIPO初値の評価

QPS研究所の株価は上場後、投資家の高い期待を反映して順調に推移しています。

2023年12月の上場時、公開価格390円に対して初値は860円と2.2倍を記録し、その後も大口受注や黒字化の進捗を材料に上昇基調が続きました。

2024年4月には3,630円まで上昇し、投資単位は100株単位のため、最低投資金額は約36万円から40万円程度となっています。

成長投資を優先しているため配当は現状では無配ですが、将来の成長性に期待する投資家からの支持を集めています。

最新の業績予想と黒字転換の達成状況

QPS研究所は2024年5月期に売上高前期比4.4倍の16億4,000万円、純利益1億4,000万円の黒字転換を達成しました。

2025年5月期の通期業績予想では、売上高は前期比91.2%増の31億6,000万円を見込んでおり、防衛省向け衛星試作・開発の売上が工事進行基準により計上開始されることが大きな要因です。

営業利益は衛星増加による減価償却費の増加により1,000万円と前期比97.1%減となる見込みですが、EBITDAは前期比71.2%増の7億3,000万円となり、事業の成長が続いています。

下期には経常利益の黒字復帰を見込んでおり、中長期的な収益拡大が期待されています。

画像データ販売の収益モデルとコスト構造

QPS研究所の主要な収益源は、小型SAR衛星で取得した画像データの販売です。

画像1枚あたりの販売単価は約40万円で、販売条件によっては約2倍に伸びる可能性があります。

衛星の性能としては1日160枚程度の画像データを取得できるため、販売枚数が増加すれば大幅な収益向上が見込めます。

主要なコストは、衛星の製造・打ち上げコストが1機あたり約15億円(5年の運用期間で償却)、運用コストが1機あたり年間約3.5億円です。

機数が増加するにつれてコストに対する売上高の比率が増加していくモデルとなっており、スケールメリットが期待できます。

宇宙戦略基金採択による資金調達と事業加速

2024年11月、QPS研究所は国立研究開発法人JAXAに創設された「宇宙戦略基金」から、総額最大950億円を配布する技術開発テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化」に採択されました。

この採択により、小型SAR衛星の量産加速化及び競争優位性確立に向けた機能強化のための補助金を受けられることになりました。

参議院予算委員会でも、内閣府特命担当大臣から宇宙戦略基金に採択された例としてQPS研究所が言及されるなど、国家戦略における重要性が認識されています。

4. SAR衛星市場の将来性と投資価値の考察

4. SAR衛星市場の将来性と投資価値の考察

2027〜28年に1兆円規模へ成長する市場の可能性

SAR衛星市場は今後、急速な成長が見込まれている分野です。

現状、SAR衛星事業を手がける企業は世界でも5社に限られていますが、その成長性は非常に高く、2027〜28年にかけて市場規模は全世界で1兆円まで成長すると予測されています。

宇宙業界における衛星市場全体は年間約5%の成長が見込まれており、特に小型SAR衛星は10%以上の高い成長率が予想されています。

衛星の画像データだけでなく、データを解析する市場や衛星自体の市場も拡大が期待されており、関連市場全体での成長が見込めます。

世界で5社のみが手がける希少性と競争優位性

QPS研究所が手がける小型SAR衛星の商用化は、世界でわずか5社しか実現できていない極めて希少な技術です。

民間SAR衛星として世界トップレベルの46センチ分解能の画像取得が可能であり、技術的な競争優位性は非常に高いといえます。

日本国内では官公庁向けのSAR衛星関連事業で55.4%のシェアを占めており、国内市場では圧倒的なリーダーポジションを確立しています。

九州の地元企業との協業により、1機あたり約5億円という低コストでの製造を実現しており、コスト競争力も高い水準にあります。

QPS研究所が抱えるリスクと課題

QPS研究所への投資には、いくつかのリスクと課題があることも認識しておく必要があります。

最大のリスクは、衛星の打ち上げ失敗や軌道上での故障です。実際に2022年にはイプシロン6号機の打ち上げ失敗により3号機と4号機を損失し、5号機も通信系の不具合により減損損失1,636百万円を計上しました。

また、宇宙開発は初期投資の規模が大きく、資金調達が継続的に必要となる事業です。

民間市場はまだ確立されておらず、現状では官公庁への販売が収益の軸となっているため、民間市場の育成と顧客層の拡大が今後の課題となっています。

国際的な競争環境も激しく、海外の大手企業との競争に打ち勝つための技術開発と営業力強化が求められます。

投資判断のポイントと長期的な成長性の評価

QPS研究所への投資判断を行う上で重要なポイントは、長期的な視点での成長性と技術的優位性です。

2028年までに24機、最終的に36機の衛星コンステレーションを構築できれば、準リアルタイム観測という圧倒的な差別化要因を持つことになります。

市場規模が2027〜28年に1兆円まで成長する見込みであり、その中でトップレベルの技術力を持つQPS研究所のポジションは有利といえます。

ただし、短期的には減価償却費の増加や投資負担により利益が圧迫される局面もあるため、3〜5年以上の長期保有を前提とした投資判断が適切でしょう。

配当は現状無配であり、キャピタルゲインを狙う成長株投資としての位置づけとなります。

宇宙関連銘柄としての注目度は高く、国家戦略との整合性もあるため、中長期的な成長ストーリーに共感できる投資家にとっては魅力的な投資先といえます。

まとめ

QPS研究所の将来性について、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • QPS研究所は九州大学発の宇宙ベンチャーで、小型SAR衛星の開発・製造・運用を行っている
  • 独自開発の展開式パラボラアンテナにより、従来の20分の1の質量、100分の1のコストを実現
  • 2028年までに24機、最終的には36機体制で準リアルタイム観測システムを構築する計画
  • SAR衛星市場は2027〜28年に全世界で1兆円規模へ成長する見込み
  • 国内官公庁向け市場で55.4%のシェアを持ち、宇宙戦略基金にも採択されている
  • 2024年5月期に黒字転換を達成し、2025年5月期は売上高31.6億円を見込む
  • 打ち上げ失敗や衛星故障のリスク、民間市場の育成が今後の課題
  • 長期的な成長性に期待する投資家向けの銘柄で、3〜5年以上の保有が望ましい

QPS研究所は技術的優位性と市場成長性を兼ね備えた将来性の高い企業です。

リスクも理解した上で、中長期的な視点での投資を検討してみてはいかがでしょうか。

関連サイト:宇宙航空研究開発機構(JAXA)