あなたは「NHK受信料を今から払い始めたら、過去分はどうなるんだろう」と不安に思ったことはありませんか?結論、過去分の扱いは契約状況や時期によって大きく異なります。この記事を読むことで時効制度や割増金のルール、具体的な対処法がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。

1.NHK受信料を今から払う場合の過去分の請求範囲

1.NHK受信料を今から払う場合の過去分の請求範囲

契約済みの場合は過去分も請求される

すでにNHKと受信契約を締結している方が支払いを滞納している場合、過去の未払い分についても請求されます。

契約済みの場合は、契約時点からの全期間が請求対象となるため注意が必要です。

ただし、後述する時効制度により、5年以上前の分については支払い義務を免れる可能性があります。

契約を締結している以上、NHKは未払い期間すべての受信料を請求する権利を持っています。

未契約の場合は設置時点から請求対象

NHKと受信契約を締結していない場合でも、テレビなどの受信機器を設置した時点から受信料の支払い義務が発生します。

2017年12月6日の最高裁判決により、受信契約が成立していない場合であっても、テレビ等の放送受信機を設置した時点から受信料の支払い義務があると判断されました。

つまり、今から契約手続きをしたとしても、実際にテレビを設置した時点まで遡って請求される可能性が高いのです。

契約の有無にかかわらず、受信機器の設置時点が起算点となることを覚えておきましょう。

請求される過去分の具体的な期間

具体的な請求期間は、受信機器を設置した月からとなります。

2019年10月以降にテレビを設置した場合は設置の翌月から、2019年9月以前の場合は設置当月から受信料が発生します。

例えば10年前にテレビを設置した場合、理論上は10年分の受信料が請求対象となります。

ただし、実際には時効制度や割増金制度の適用期間など、さまざまな要素が関係してきます。

最高裁判決による請求範囲の確定

2017年の最高裁判決は、NHK受信料の請求範囲について重要な判断を示しました。

この判決により、受信契約を締結していない人でも、テレビ設置時点から受信料の支払い義務が発生すると確定しました。

判決では「契約を速やかに締結した人と締結しなかった人で不公平が生じてはならない」という理由が示されています。

この判決以降、NHKは未契約者に対しても設置時点からの全額請求を行う法的根拠を得たことになります。

2.NHK受信料の時効制度と5年ルール

2.NHK受信料の時効制度と5年ルール

消滅時効は5年が基本

NHK受信料には消滅時効があり、その期間は5年です。

2014年の最高裁判決により、NHK受信料の時効期間は5年と確定しました。

民法改正後も、NHK受信料の消滅時効期間は5年のまま変更されていません。

時効が成立すれば、5年以上前の受信料については支払い義務がなくなります。

直近5年分は時効の対象外

時効制度があるとはいえ、直近5年分の受信料は必ず支払う必要があります。

時効の対象となるのは5年以上前の受信料のみで、直近5年分は時効になりません。

例えば10年分の未払いがある場合、時効援用をすれば5年以上前の5年分は支払い義務がなくなりますが、直近5年分は支払う必要があります。

この直近5年分については、NHKから「放送受信料未払い確認書」が送付されることがあります。

時効援用の手続き方法

時効の効果を得るには、時効を援用する意思表示が必要です。

時効は自動的に成立するわけではなく、時効を援用する旨をNHKに通知する必要があります。

通知方法としては、内容証明郵便を使用するのが一般的で確実です。

内容証明には契約者の住所氏名に加えて、請求書に記載されているお客様番号を記載することが推奨されます。

時効が成立する条件と成立しない条件

時効が成立するには、いくつかの条件を満たす必要があります。

5年以内に債務の承認(一部でも支払った、書類にサインした、NHKに電話したなど)がないことが重要です。

一度でも支払いを再開した場合、その時点から新たに5年間のカウントが始まります。

また、裁判所から支払督促が届いた場合は、2週間以内に異議申立をしないと時効が中断(更新)されてしまいます。

3.2023年4月からの割増金制度

3.2023年4月からの割増金制度

割増金が請求される具体的なケース

2023年4月1日から、NHK受信料の割増金制度が導入されました。

割増金が請求されるのは、不正な手段により受信料の支払いを免れた場合と、正当な理由なく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合の2つです。

具体的には、受信契約の解約届や免除申請に虚偽があった場合、テレビ設置の翌々月末までに契約書を提出しなかった場合などが該当します。

地上契約から衛星契約への変更が必要なのに変更しなかった場合も対象となります。

割増金は受信料の2倍相当

割増金の額は、支払いを免れた受信料の2倍に相当する金額です。

通常の受信料に加えて2倍の割増金が請求されるため、実質的には3倍の支払いが必要になります。

例えば、地上契約の月額1100円を3ヶ月滞納した場合、受信料3300円に加えて割増金6600円、合計9900円が請求される可能性があります。

NHKは割増金について、事由に該当する場合に一律に請求するのではなく、個別事情を総合勘案しながら運用するとしています。

割増金の適用期間と計算方法

割増金の対象となるのは、2023年4月以降の期間分のみです。

2023年3月以前の未払い分については、割増金は適用されません。

正当な理由なく契約申込みをしなかった場合は、受信機設置の翌月から受信契約を締結した月の前月までが対象期間となります。

計算方法は、対象期間の受信料×2が割増金額となります。

割増金を避けるための対策

割増金を避ける最も確実な方法は、期限内に適切な手続きを行うことです。

テレビを設置したら、設置月の翌々月末までに受信契約の申込みを完了させましょう。

契約種別の変更が必要な場合(衛星放送が視聴可能になったなど)も、速やかに変更手続きを行うことが重要です。

すでに未契約の状態が続いている場合は、早めに契約手続きを済ませることで、割増金の対象期間を最小限に抑えられます。

4.過去分を請求された場合の対処法

4.過去分を請求された場合の対処法

支払い再開後の過去分請求への対応

一度支払いを再開した後に、過去の未払い分を請求されるケースがあります。

支払いを再開してから5年以上経過していて、かつ5年以内に過去の未納期間について債務承認していなければ、時効援用が可能です。

支払い再開時にNHKから「過去の分は支払わなくてよい」と言われた場合でも、後から請求されることがあります。

この場合、支払い再開以降の支払いは未納期間の時効を更新させないため、時効援用により過去分の支払い義務を消滅させられる可能性があります。

債務承認にならない注意点

時効を成立させるには、債務承認行為を避けることが重要です。

NHKの集金人に「少しだけなら払う」と言って一部でも支払うと、債務承認となり時効が更新されます。

電話での問い合わせ時に「お金がないから払えない」などと言うことも、債務承認と見なされる可能性があります。

NHKが渡す領収書には「受信料未払い期間指定書」という項目があり、これにサインすると未払い期間全体を承認したことになります。

分割払いの交渉方法

一括払いが難しい場合は、NHKに分割払いの相談をすることができます。

滞納額が多く支払いが困難な場合、個別の状況に応じて分割納付の相談に応じてもらえます。

具体的な分割回数については公式サイトに明記されていませんが、支払う意思がある場合は柔軟に対応してもらえる可能性があります。

分割払いの相談をする際は、毎月いくらなら無理なく支払えるかを事前に計算しておくとスムーズです。

専門家への相談が必要なケース

以下のような場合は、司法書士などの専門家への相談を検討しましょう。

裁判所から支払督促が届いた場合、自分で時効援用の手続きをする自信がない場合、時効の更新事由があるか判断できない場合などです。

専門家に依頼すれば、内容証明郵便の作成や裁判手続きの代理を任せることができます。

北海道など遠方の場合でも、内容証明作成代行サービスを利用できる事務所もあります。

まとめ

  • NHK受信料の過去分は、契約の有無にかかわらず受信機器設置時点から請求対象となる
  • 消滅時効は5年だが、直近5年分は必ず支払う必要がある
  • 時効を援用するには、NHKへの意思表示が必要で自動的には成立しない
  • 2023年4月以降の未払い分には、受信料の2倍相当の割増金が適用される可能性がある
  • 割増金を避けるには、テレビ設置の翌々月末までに契約申込みを完了させることが重要
  • 支払いを一度再開した後でも、条件を満たせば過去分の時効援用は可能
  • 5年以内に一部でも支払うと債務承認となり、時効が更新されてしまう
  • 一括払いが難しい場合は、NHKに分割払いの相談ができる
  • 裁判所から支払督促が届いたら、2週間以内に異議申立が必要
  • 判断に迷う場合や裁判手続きが必要な場合は、専門家への相談を検討すべき

NHK受信料の過去分請求は、時効制度や割増金制度など複雑なルールがあります。しかし、適切な知識を持って対応すれば、無駄な支払いを避けたり、分割払いで負担を軽減したりすることができます。不安な場合は早めに専門家に相談することで、最適な解決策が見つかるでしょう。

関連サイト:NHK受信料の窓口